久々の妄想癖





――もう、俺に頼るなよ。俺にはもう、お前を助けられないんだから。
その時のあいつの表情を俺は一生忘れることはないだろう。


「じゃあ転校生を紹介するぞー。今日からクラスの一員になる四条すずめだ」
教卓の横に慎ましげに立つすずめは、おずおずと教室を見渡し、小さくお辞儀をした。
小さな背丈に細くて白い手足、絹のように滑らかな……そう、まるでそれは
どこかの絵から出てきたような姿と言っても過言ではないほど可愛らしい少女だった。
クラス全員が、すずめに釘付けの中、俺は机にかけた鞄のふたを開け、その中から
ポケットティッシュを取り出して手の中に収め、椅子を少し後ろに引いた。
そして、再びすずめが教室内を改めて見渡す……まるで誰かを探しているかのような表情は
不安な気持ちをどんどん色濃くしているようだった……のだが。
ふと、すずめと目が合う。するとすずめの表情からは不安は消え去り、その代わりに
咲き始めの花のように頬を紅潮させて笑みを浮かべ始めた。
そんなすずめの様子にクラス全員が感嘆の声を上げると同時に俺は席を立ち、速足で教卓へ向かう。
「悪く思うなよ」
そう、短く告げた俺は手早くティッシュを小さくちぎり、丸めたそれをすずめの小さな鼻へと
突っ込んだ。瞬間、湧き上がる悲鳴と罵声はよそのクラスの担任が叱りに来るほどのもので、
ようやく静まり返るころにはホームルームの終了を告げるチャイムが鳴っていた。
その後、初めから俺とすずめが幼馴染ということを知っていた担任は
すずめの席を俺の隣にしたおかげで、暫くの間俺の周りではすずめへの慰めと俺に対する非難で
ごった返しになった。


四条すずめは今と変わらず可愛らしい子供だった。ただし、一つだけ変な特徴があった。
それは、嬉しくなると鼻血を吹きだすというものだった。




| comments(0) | - | by 夏目 杜
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